みんな俺にいつも、どうやって今の技術を開発したかって聞くよ。
けれども、秘密なんてものはないんだ。おれはただの憑かれた若造だったのさ。
何年もの間、文字どうり俺はギターを弾く以外は何もしなかった。
一度ギターをつかんだら、それこそ、言葉の通り朝起きてから眠るまでギターを
離さなかった、翌朝起きたときもギターを握ってたぐらいさ。
最初に始めた頃は、いろいろなロックを弾いた、そのほとんどがペンタトニック
プレイだった。おれはリッチーブラックモアのソロ、ノートというノートの全てを
学んだ。 ロックのヘビーなサウンドは実に荘厳だが、すぐにみんなすごく平凡な
ことに気がついた。間違わないでくれ、俺はAC/DCやそんなバンドが大好きだ。だ
が俺が望んでいる物は俺が聞いている物からはかなりかけ離れていたんだ。
そんなわけで、俺がクラシックに注目し始めたとき、頭の中で閃いたんだ、電灯が
点灯するみたいにね。幸い俺には完璧なタイム感がある、俺はどうやってクラシカル
な曲をギターで演奏するかをレコードを聴きながら学んだ、そして作曲者が何を考え
ながら曲を作っているかを吸収したんだ。これら最初のころの訓練が今の俺のインプ
ロバイズに本当に役立っている。というのも、今の俺のインプロバイズは本当に自然
なものなんだ、俺の頭のなかの電気回路が、曲の進行にあわせてアルペジオとスケー
ルを構成するんだ。むしろ俺には、間違ったスケールやノートを演奏する方が難しい、
たとえどんなに疲れていたってね。
パガニーニを聞き始めて、俺はいわゆる伝統的なロックギタースタイルからは完全
に離れてしまった。いったんこれこそが、俺がプレイヤーとしての取るべき方向だと
わかって走り出したら、俺自身のやる気を起こさせるのにこれほど簡単な物は無かっ
た。そしてこれこそが、パガニーニカプリースの5番のような難解なクラッシク曲を
完全に弾きこなせるようになるまで練習することが俺の挑戦だった。それにかかる時
間なんて問題ではなかった。
クラシカルなハーモニーを扱えるようになるために最初に必要な事そしてもっとも大事な
ことがアルペジオだ。アルペジオというのは演奏中のコード中のトーンの連続として定義で
きる、同時ではないんだ。アルペジオを実行するために必要なのは単に難解な技術を身につ
けるだけでは不十分で、君たちはこれらの構成の背景にある理論を学ばねばだめだ。与えら
れたいかなるコード進行の上にどうアルペジオ重ねて行くかを知っている事こそが、インプ
ロバイズを行うにあたっての大いなる助けになるんだ。
俺が思うに、キーの真ん中でのアルペジオの働きについて学ぶ最良の方法は、ネックを全
音階的に上から下まで使って早く弾く事、これはスケール内の全ノートを使ったの3連アル
ペジオの構成が良いと思う。例えば、Gメージャースケール上でぞれぞれのスケールで3連
譜を構成したとする、するとこんなダイアトニックコード進行になる:G, Am, Bm, C, D
そしてF#dim。
アルペジオをプレイする間たくさんの弦のスキップが必要になってくる。(こいつは沢山
のギタリストが抱えてる問題だ)、俺は2弦をつかって、ダイアトニックスケールのアルペ
ジオの練習に最初に取り組むことをお勧めするよ。例えば図1だ、ここではGメージャー
ダイアトニクアルペジオをBと高い方のEの弦でやることになる。こいつを弾くときは、オル
タネイトピッキング(アップーダウンーアップーダウン)を使うんだぞ。一番大切なことは
最初から早く弾こうなんて思わないことだ(もちろん変な音に聞こえてしまう事はわかって
る)。アルペジオをマスターする鍵は如何にクリーンかつ全てのノートが鮮明に演奏できる
かだ。ゆっくりだが正確かつクリーンに弾けるようになったら、スピードを上げて、もっと
音を良くすることにといかかるんだ。
いったん2弦を使ったアルペジオをこなせるようになったなら、3弦に挑戦してみよう。
もちろんオルタネイトピッキングのままだぜ。図2に俺が君たちのためにインプロバイズ
した小品エチュードを載せておく。これは上の3弦を使って、最も標準的なメージャー、
マイナーそしてデミニッシュのアルペジオが組み込まれてる。注意してほしいのは、Dmの
キーとして簡単な転調(Dmのキー内でVコードとしての8番目の基準機能としてのAが
はいっているんだ)がEに戻るまえに効いている(これはAmに戻るためのVコードの分解
として機能する)。
いったん君たちが2弦や3弦でのアルペジオの形を快適に弾けるようになるまでにマスタ
ーしてしまえば、4弦5弦そして6弦という風に展開する事はたやすく出来る。これで、
来月に触れる事になるが、次のステップとして俺が取り組んだスウィープピッキングを俺と
同じように上手く弾きこなせるに違いないぜ。