Trilogy
Polygram, 1986

確かに、このアルバムはすばらしい、傑出作である。しかし私は、今でもこれが彼のキヤリアを埋め尽くす無数の玉作の最高傑作だとは思わない。とにかく、初期のソロアルバム三部作の中では最もポップであり、不世出のボーカリストマークボールズがいた事で全体のレベルが大きくあがった様に見える。まあQueenで言えば『オペラ座の夜』のうな物。後のヘビーミディアムを予感させる曲調が目新しく心地良い。しかし、初期のコアなファンがこのアルバムのせいで沢山逃げた。保守的なフアンがであるが。そして新たなファンを多く獲得したわけである。Yngwieが作るビデオクリップで最も出来と評判が良いのが You Don't Remember（私は後のアルバムのSave OurLoveも好き）だが、とにか楽しい、最初のUSでのガールフレンドのドアップに度肝抜かれたのは関係者だけか？
そして何より、このギターソロである。私はこのソロはYngwie歌もの曲の中では、やはり最高のできであろうと思う。特に、泣きと歪みとビブラートと音の透明感とメロディである。テクニック的にも頂点だったわけで、感性も野心も今とはひと味ちがった、純粋な美と若さと純真さがあるような気がする。
それにしても、Cryingを聴くまでは、アルバムで脳震盪を起こしたことは一度もなかったが、以降聴く毎に、『私はどこここは誰』状態で旅立ってしまうのである。心の奥底の、何か言葉では言い表せない物を揺さぶられ、涙がこみ上げてくる、100回位は泣いた様な気がする。電車で聴くのはやめよう。　　

P.S.そういえば、思いだしたんですが、Yngwieはこのアルバムを全身全霊で作り上げ完成直後には数日間熱をだして寝込んだという逸話があります。この当時のインタビューや取材の写真で見る彼は、まるで女の子のようなあどけない部分とヒーローとしての不敵な部分が混在して、えも言われぬかっこよさを醸し出していました。パパになったなった最近の姿からだと、ちょっと想像つかないかな、前妻アンバー嬢が、若き日の写真を初めてみせられた瞬間、あたりをはばからずに思いっきり『カワイイィ〜！！』と絶叫したのが印象深い。
By　Yoko

Trilogy, Polygram, 1986

All compositions, lyrics, and arrangements by Yngwie J. Malmsteen. Produced

and conducted by Yngwie Malmsteen.

Published by Unichappell Music, DeNovo Music Group Inc., and Malmsteen

Music.

Recorded at Village Recorders, Los Angeles, California.

Yngwie J. Malmsteen: All electric and acoustic guitars, all bass guitars, and

Taurus bass pedals.

Mark Boals: Vocals.

Jens Johansson: All keyboards.

Anders Johansson: Drums.

Bassline arrangement of second segment of Trilogy Part I assisted by Jens

Johansson.

This record is dedicated to the memory of Olof Palme.

Art direction by Bill Levy. Cover illustration by David Heffernan. Photography

by Glen La Ferman.

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