Yngwie J. Malmsteen's
Rising Force
ALCHEMY

Pony Canyon Inc. 1999

Listen Sample Liff (MP3)



comment

プロローグ

ある時Yngwieがサインをしながら私に尋ねた、この公演パンフレットに書いて有る日本語のコメントの中身を教えてくれ。

私は正直に教えた、Yngwieはすばらしいが最近はマンネリだって書いて有る、と。

彼は顔をゆがめて、はき捨てるようにこう言った。この俺にこれ以上どうしろって言うんだ、教えてくれよ、俺は俺でしかない、俺が俺の音楽をやればそれは全て俺の物だ、それがマンネリだっていうのなら、俺は変わらなくてはいけないのか?

私は答えた、言いたいやつには言わせておけばいい、あなたのファンは全て、Yngwieミュージックそのものを愛している、それはあなたが唯一絶対無二のオリジナルな存在だからなのよ。貴方は自分を曲げてまで今風に変わるなんてことは、絶対してはダメ。貴方が自分の信じる道を突き進み続ける限り、ファンはどこまでもついて行くのだから。自分の世界をとことん突き詰めて、誰にも文句が言えない様な凄いアルバムを作って頂戴。急ぐ必要はないわ、とことん考えて、エネルギーをためて、ゆっくり練り上げれば、きっとすばらしい物ができる。

Yngwieはその後も世界中のコアなファンにさらに問い続けた、俺はこのまま俺の道を突き進めて良いのか?みんなついてきてくれるか?

そして、世界のファンは答えた、Yesと!

半年がすぎた。Yngwieは自宅のスタジオに居た、山のようなデモテープを積み上げて。そしてひとりでつぶやいた、やっぱりそうしよう、コンセプトアルバムだ、テーマは俺の極限ギターワークだ、いままで誰もやったことがないレベルに踏み込むんだ、俺のギターの限界がどこかを見極められるまで、とことんダークに激しく速くそして難解に、世界中のフォロアーどもがぶっ飛んでおののき、古くからの真のファンが泣き狂って喜ぶようなとんでもなく凄いやつにしよう。

Alchemyは完成した、Yngwieは、ボーカリストとしては最後の切り札のマークボールズを迎えたことを、心の底から満足しながらLAでの取材経由での日本プロモーションツアーに旅立った。日本のファンはうるさいからな、どんな反応をしめすか楽しみだ、ったくあいつらと来たら・・・

エピローグ

さてみなさん、これは一部に事実を含めたフィクションです。
Alchemyを聴きながら、いまこれを書いています。もう何回・何時間このアルバムを聴き続けているのか、自分でもさっぱり検討がつかないほどの時間がたちました。
Yngwieの音楽を聴くと、何時も彼の感情が伝わってくるのですが、今回ほどそれが激しいアルバムは初めてです。アルバム全体を通して聴けば、彼が本当の彼のファンにこのアルバムが捧げていることが、はっきりとわかります。そしてYngwieは、このアルバムの制作の過程で、新たな次元に足を踏み込みました。
Alchemyは、これから始まる構築様式美世界の第1楽章、新たな三部作の始まりといっても良いでしょう。
とにかく今回のアルバムは1曲ずつの個性と激しさ、彼ならではの世界展開と構築的様式美の凝集、全てが他のアルバムの追随を許さない緊張感がみなぎっています。もはやお馴染みの音階やフレーズは焼き直しとしてではなくお約束の刻印として、ルーン文字で刻まれた石碑の中を歩くがごとく、次から次へとYngwieによって語られる幻想世界。それがALCHEMYです。
今回、もし伝説のヨハンソン兄弟が参加していたとしたら、このアルバムでの未完成な部分が全て埋められて、それはもはや誰にも到達できない神の書物になっていたかもしれませんが、むしろ今後に展開される第2部、第3部への進化の為の余地として考えれば、始まったばかりで結論を急ぐことはないという気分にしてくれます。第1部がボーカルバトルなら、第2部はキーボードバトルかもしれません、そして大団円を含む第3部は全ての要素を取り込んだ究極のバトルアルバム、進化の極致へと突き進むYngwieの後光が見える気がします。
そしてまた彼はこのアルバムを持ってして世界のギタリストにメッセージを発信したのです、俺に正面からかかってこいっと。なんたる大胆不敵な剛気なやつでしょう。彼は父となっておそらく何らかの悟りを開いたのでしょう、これから始まる新しい革命的なYngwieワールドの展開に、もはや眼が離せません。
Yngwie J. malmsteen、あなたのやり遂げたいことが見えてきた気がします、さあ飛びなさい、恐れることはない、もう矢は放たれた、戦いは始まったのです。私は貴方の目となり耳となりして、貴方の戦いを支えるでしょう。そう、世界のたくさんのファンが貴方の為にともに戦うことでしょう。勝利を信じて、最後までやり抜くのです。歴史が全てを証明してくれるのですから。

By Yoko


Yngwie is God !
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Data
Alchemy 1, Blitzkrieg 2, Leonardo 3, Playing with Fire 4, Stand (The) 5, Wield My Sword 6, Blue 7, Legion of the Damned* 8, Deamon Dance* 9, Hangar 18, Area 51 10, Voodoo Nights 11, Asylum: I. Asylum II. Sky Euphoria III. Quantum Leap 12, God Is God (Japanese bonus track) Canyon International, 1999 Produced by Yngwie J. Malmsteen. Mixed, edited, and mastered in Studio 308, Miami Shores, Florida. Yngwie Malmsteen: Electric guitar, acoustic guitar, backing vocals, bass guitar on 2 tracks*. Mark Boals: Lead vocals. Mats Olausson: Keyboards and backing vocals. Barry Dunaway: Bass and backing vocals. John Macaluso: Drums. Art Direction, digital art, and design by Ioannis for Vivid Images Worldwide. Back Back to Yngwie Top Page